Kirei Style(キレイスタイル)

「心の距離感」を保ち、スムーズな人間関係を築くコツとは?

心理カウンセラーの小高千枝です。「先生は人間関係で悩むことはありますか?」「どうして、コミュニケーションで問題が起こらないんですか?」という質問をいただくことが多々あります。私の場合、問題が起こらないのではなく「相手と自分の心のポジショニング感情のコントロールをし、問題にまで発展しないようになった」という言い方のほうが正しいかもしれません。

それでも人間同士ですから、問題が全く起こらないわけではありません。ただ、終息するのは早くなりました。対人コミュニケーションにおいて大切なことのひとつは “心の距離感” です。今回は一定の心の距離をとることでの人間関係のあり方について、私の事例をもとにご紹介しましょう。

「必要とされたい」 かまってちゃん時代のあの頃
“誰かに必要とされたい”と思うことは誰にでもあることです。私も以前はそうでした。かれこれ15年以上前になるでしょう。話題の中心でいたい気持ちやパートナーとは常に連絡をとっていたい。自分のペースを維持し、相手に押し付けるとても迷惑なことを多々やっていました。

こうやって可視化すると自分を振り返るきっかけになります。「そうそう。私ってこういう人だった。恥ずかしい」と自戒の念を込めて書いてみました。今も昔も私は自他ともに認める協調性のかたまりのような人間ですが、根本的には、人と同じ行動をすることがあまり得意ではありません。相手に寄り添いながら自分のペースに導いてしまう。

自分の価値観や行動を自分で納得できていなかったために人に押し付けていたのですよね。自信が無かったのでしょう。だから、人を巻き込み、そこに自分の存在価値を見出していたのだと思います。そういったことを繰り返していた、承認欲求が強いかまってちゃん時代。

「必要とされたい」という根底にある気持ちが、話題の中心になることや、パートナーとオンリーワンの関係を常に意識することで満たそうとしていました。

“ご縁”があるから必要とされる
本当の意味で、私の強みである“協調性”を活用できるようになったのはここ5~6年のことです。

公私ともに人生経験を積み重ねていく中で、ご縁があるから必要とされるのであって、ご縁がないのに無理やり相手を自分の方向へ向かせてもお互いに何のためにもならない。そう気づき、感情と理性のバランスをとりながら人間関係を構築していくと、気持ちが楽になりました。

そして「私を必要として」という主張が一切なくなりました。

それはカウンセリングを通して、クライアントさまに教えていただいたことがひとつのきっかけかもしれません。私はカウンセリング、メンタルトレーニングの際に必ず「自分にあった専門家を選んでください。私が必ずしも○○さんと相性がいいとは限りませんからね」とお伝えします。

時間を作り、お金を払い、形に見えない心と向き合うわけです。人生の大切な1ページをご一緒するわけですから、ご縁を大切にしたい。そう思えるカウンセラーと向き合っていただきたいと思います。

私と相性が合わない方は「小高のようなタイプのカウンセラーは向いていない」と感じる良い経験だったと捉えてみていただきたいです。マッチングすることだけがご縁ではなく、感覚や価値観が合わない。そういったことを教えてくれる存在の人も、私はご縁として素晴らしい出会いだと思い、受け止めています。

人生のステージが変化するごとに、“過去の人たち” に感謝
先日、30年来の親友と食事をしました。私の人生の転機となった離婚と向き合う時期も見守ってくれた友人です。「本当に頑張ってきたよね」と励ましの言葉を伝えてくれたと同時に「それにしても波乱万丈な人生だね」と苦笑。

確かに、一般的ではない人生を歩んでいるのかもしれませんが、すべて今の私を築き上げるために必要な経験でした。そして、人生のステージの変化と関わる人の変化も改めて客観視。

出会いと別れ「ともに成長している人とはずっと一緒にいるな」「あの時のAさんとの出会いがあったからBさんと知り合えた」Aさんとはもう連絡をとっていなくてもAさんには感謝ですよね。私は少し時間ができたときに自分の人生の全体像をイメージし、なぜこの方とご縁が続かなかったのか? 続いているのか? を感謝しながら見つめなおすことがあります。

そう、続いている人とは心の距離の取り方が心地よいからなんですよね。その心地よさは人によって違う、ということも合わせて落とし込みます。

心地よい “心の距離感” を知っていますか?
私が「かまってちゃん」だった時代のことを書きましたが、この頃は “心の距離の近さ” をとにかく求めていた気がします。近くにいてもらうことで自分の心の安定を保ち、自己承認できていたのです。

近いこと、遠いことどちらが良いとか悪いとかではありません。自分軸、相手軸にそれぞれ置き換え、どういう距離感をとることがお互いの幸福度が増すかを考える必要があるということです。

近いことを喜んでいた人もいれば、迷惑だった人もいたでしょうね。当時、お付き合いをしていた彼も正直面倒くさいと思ったこともあったでしょう。若かったこともありますが、素直に「ごめんなさい」と伝えたいです。

みなさんも自分軸と相手軸をちょっと意識してみてください。自分が良くても相手にとっては違和感を感じる距離感。自分なりの一定の距離感の基軸を持ち、相手の価値観や感覚に寄り添うようにしてみてくださいね。

ほどよい “執着” と “諦め”
“執着”“諦め”という言葉は一瞬マイナスの感覚を与えられますが、私はそう思わないようにしています。執着心を抱き一生懸命追いかけること、次のステージに上がるために諦め手放す勇気を持つこと。どちらかに偏る必要もなく、ほどよいバランスが大切だと感じます。

そういう感覚を身につけたことにより、「わかってくれる人とは執着心をもってとことん向き合う。ただ、無理に強要したり理解してもらおうなんて思うことはおこがましい。どこかで理解しあえないことには、どこかのタイミングで諦めを持つことがお互いのため」こういった意識を持てるようになりました。

そして、自分の立場や状況によって、対人コミュニケーションにおける心の距離感が違うという認識を心の引き出しに常備。仕事、プライベートそれぞれの立場における二面性、三面性を生かし心のポジショニングをとるようにしています。

ただし、すべてに共通して言えることは、自分の中にある “物差し” で、一定の距離を必ずとること。そこの距離感を維持しながら近づいたり離れたりを繰り返し、ほどよい距離・ポジションを相手との間に築き上げるのです。
(小高千枝)