最近、寒くなってなんだか体調が芳しくないという人も多いのではないでしょうか。それはもしかすると部屋の“乾燥”が原因かもしれません。
厚生労働省の『令和2年度インフルエンザQ&A』(※1)によると「適度な湿度の保持」が予防の1つとして挙げられています。湿度を適切にコントロールすることが、どう健康維持に関係しているのでしょうか。
そこで、今回は湿度と健康の関係について、『ファミリークリニックあざみ野』の院長である、総合診療医の石井道人先生にお話を伺いました。
部屋の中を加湿する理由とは

部屋の中を適度に加湿する理由について、「口内の空気の通り道が乾燥してしまうと、ウイルスからの防御機能が下がる可能性があります。乾燥によって唾液や分泌物が少なくなるため、外から入ってくるものに対しての抵抗力が落ちてしまう可能性があるのではないでしょうか」と石井先生は説明します。
一般的に人工呼吸器にも加湿機能がついているものが多いらしく、そのことからも加湿の重要性が見えてきますね。また、先述の厚生労働省の『令和2年度インフルエンザQ&A』(※1)にも「空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では加湿器などを使って、十分な湿度(50-60%)を保つことも効果的です」と述べられています。
石井先生いわく「就寝中に口が開いた状態になってしまう人は、口内が乾燥してしまうので要注意です。乾燥を防ぐという観点からは、マスクを着けて就寝してみるといいでしょう」とのこと。
肌の保湿はアレルギーと関係が!?

喉や部屋の空気の湿度を適切に保つ重要性はわかりましたが、肌を保湿することは健康に繋がるのでしょうか?
石井先生いわく「肌の保湿はアレルギーと関係があると言われています」とのこと。
「肌が乾燥して“バリア機能”が下がってしまうと、有害な物質などが肌に接触しやすくなってしまい、それでアレルギー反応が出る可能性があります」と石井先生。
喉や部屋の湿度同様、肌も適度に保湿することが健康維持には大切なようですね。
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いかがでしたか? 今回は石井先生に湿度と健康維持についてお話を伺いました。日々の生活の一部に取り入れてみるといいかもしれないですね。
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<プロフィール>
石井道人
2007年北里大学医学部卒業後、東京都立多摩総合医療センターにて研修後、ERに専従。北海道喜茂別町で僻地・家庭医療に従事したのちに、現在は横浜市青葉区の『ファミリークリニックあざみ野』の院長を務めている。
【参考・画像】
※1 令和2年度インフルエンザQ&A – 厚生労働省ホームページ
※tokinoun/runa/naka/PIXTA(ピクスタ)