“免疫力”って結局何なの?医師が語る「好調」をキープする方法

仕事や家族のためにも、自分の体調は万全に整えておきたいですよね。「健康には免疫力が関係している」といった言葉をよく耳にすると思いますが、免疫力とは一体何なのでしょうか?

そこで今回は、医師の井上智介先生に免疫力の役割やその維持に必要なことについて聞いてみました。ぜひ日頃の体調管理に役立ててみてください。

免疫力には「防御」と「攻撃」の役割がある

画像:GrandJete/PIXTA(ピクスタ)

——巷でよく聞く免疫力とは、具体的にどのような力なのでしょうか?

免疫力といわれるものには、2つの側面から考えると分かりやすいのではないでしょうか。病気から守るという“防御”の側面と、カラダの中に入ってきた病原体に対して“攻撃”をしかける側面です。

具体的には、病原体がカラダの中に入ってこないように皮膚や粘膜が“防御”の役割を果たし、病原体がカラダに入ってきたときには、免疫細胞が病原体を食べたり分解したりして“攻撃”をするといわれています。

免疫力と健康の関係性は?

画像:Taka/PIXTA(ピクスタ)

——免疫力が下がるとカラダにどのような影響が出てきますか?

私の経験からお答えしますと、免疫力が低下すると、病原体が皮膚や粘膜のバリアを突破して侵入しやすくなり、カラダの中でも病原体を倒すのに時間がかかる可能性があります。

その戦いこそが一般的にいわれている“炎症”であり、ある部位が腫れたり痛みをもたらしたり、熱をもったりすることも。もちろん、その炎症が大きければ、局所的な部分ではなくカラダ全体に発熱をもたらす可能性があります。

好調をキープするにはどんなところに気を付ければいい?

画像:GrandJete/PIXTA(ピクスタ)

——一般の人が日々免疫力を維持するために必要なことを教えてください。

規則正しい生活を心がけて、睡眠時間をしっかりとることでしょう。交感神経が優位の時には、免疫細胞の1つであるリンパ球は動きが制限されるという研究(※1)があります。そのため、交感神経ではなくて、副交感神経を優位にすることを心掛けるといいと考えます。

リンパ球は主に抗体を作りだす機能を持ち、一度体内に侵入した病原体を記憶して、再びカラダに入ってきたときにすぐ対応できるよう準備しているといわれています。免疫力を維持するためには、副交感神経を優位にできるように、リラックスできる時間をたっぷりとることがおすすめです。

また、食品添加物を含む食品を摂り過ぎないことをすすめます。食品添加物によっては、腸内細菌の組成と機能が変化して、免疫系に影響を与える可能性があると推測する研究報告(※2)もあります。

【関連記事】“ストレス”と“免疫力”の関係、知ってる?精神科医からのアドバイスとは

 

いかがでしたか? 今回は免疫力の定義とその維持に必要な習慣についてご紹介しました。ぜひ日々の生活に取り入れてみてください。

※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

<プロフィール>
井上智介
島根大学医学部を卒業後に、産業医・精神科医・健診医の3つの役割で大阪で活動中。さらに、ブログ『たたかう産業医』やSNSでも積極的に、分かりやすい医学の内容を発信し続けている。また、『ストレス社会で「考えなくていいこと」リスト(KADOKAWA)』をはじめとした3冊の書籍もある。

【SNS】Twitter:@tatakau_sangyoi

画像:井上智介

【画像・参考】
※kikuo・jhphoto・Taka・GrandJete/PIXTA(ピクスタ)
※1 鈴木一博. 交感神経系による免疫細胞の動態の制御. 2015
※2 L. Hrncirova et. al. Human gut microbes are susceptible to antimicrobial food additives in vitro. 2019