部下にかける言葉ひとつで、その人のモチベーションや仕事の取り組み方は変わってくるでしょう。ただ、部下や後輩に対してどのようにコーチングをすればいいのかわからない……と悩んでいる人は多いのでは?
今回は筆者が聞いた、総合商社に勤めているAさん(25歳)の話を例に挙げて、部下のやる気を引き出せるフィードバック術についてご紹介していきます。
ミスを重ねる部下をどうコーチングすればいい?

Aさんは入社3年目で、今年新卒で入社した社員Bさんを自身の部下として迎えました。Bさんは当初やる気に満ち溢れていて、指示した仕事も積極的に取り組み、その姿は周囲からも評判です。Aさんもその働きぶりを見て感心し、最初は丁寧に教えて褒めて伸ばそうとしていました。
しかし、半年経ってもなお、部下のBさんは同じミスを繰り返してしまいます。AさんはとうとうBさんを叱ってしまいました。それ以降、Bさんのモチベーションが下がってしまったのだとか。
Aさんは、怒りの感情や主観が混じったアドバイスをしたことを反省したといいます。そして、ミスを繰り返している現状を、Bさんと一緒に考えてみることにしたのだそう。
同じミスをしたときには、できるだけ冷静に「同じミスをしているようだけど、なぜ間違えたのだと思う?」という言い方にして、意見を聞くようにしたのだとか。すると、Bさんはミスが起こった原因について自分で考えるようになり、またやる気を取り戻したといいます。
部下にやる気を出させるには、“客観的”な視点で現状を伝えることが大切です。それによって、部下に自分で気づかせて主体的な改善を促していきましょう。
他者に“こう見えるよ”と言われて初めて気づく

コーチングのプロも同様の意見を述べています。パーソナルトレーナーの森本貴義氏とビジネスコーチの中野達也氏の2人の著書『応援する技術 – 成功するメンタルを育てる最強のコーチングメソッド』(ワニブックス)によれば、「人間は自分のことは、わかっているようであまりわかっていないことが多く、他者に“こう見えるよ”と言われて初めて気づくことが非常に多い」のだとか。
元々、やる気に満ち溢れていたBさんなので、その後は自分でミスの対策を考えることで、ミスの回数が減ってきたといいます。そばにいるAさんも、Bさんが着実に成長しているのを喜んでいるそうです。
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いかがでしたか? 今回は部下へのフィードバック術をご紹介しました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
【引用元】
※応援する技術 – 成功するメンタルを育てる最強のコーチングメソッド(森本貴義・中野達也)/ワニブックス
【参考・画像】
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