子どもの教育にはさまざまなメソッドがあって迷いますよね。ただ、子育てとは本来子どものために行うもの。親が子どもを都合のいいようにコントロールするのではなく、子どもの将来を見据えた教育を実践したいものです。
今回は『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳 〜 12歳 の子ども対象』の著者・島村華子さんが提唱する、子どもの将来を見据えた教育である“無条件子育て”の5つのポイントを通じて学んでいきましょう。
ほめ方と叱り方に気を付ける

島村さんによれば、無条件子育てとは、子どもの「行動の善しあしかかわらず愛情を注ぎ」、子どもの気持ちに寄り添うものだそう。そのベースとして“ほめ方&叱り方”が大切だといいます。
ポイントは「能力や見た目」といった側面ではなく努力や行動などのプロセスに目を向けること。子どもに言うことを聞かせるためのほめ方&叱り方は避けましょう。
「子どもに対するイメージ」を見直す
皆さんは子どもに対してどのような接し方を心がけていますか? 島村さんによれば「親がもつ子どものイメージ次第で、子どもに対する気持ちや接し方は大きく変わります」とのこと。
例えば「子どもは大人の言うことを聞くべき存在だ」というイメージなら親都合で子どもの行動を制限しがちになる一方、「子どもも大人と同じように権利をもった尊い存在だ」という考え方ならば、子どもの声をよく聞いたうえでその行動のきっかけとなった気持ちなどに目を向けられるようになるなどです。
このように接し方が変われば当然子育てで重要なほめ方や叱り方にも影響します。今持つ子どもへのイメージが本当に子どもの気持ちに寄り添ったものか今一度考え直してみましょう。
子どもにとってよきリーダーでいる

3つ目のポイントとして親が「子ともにとってよきリーダーでいる」ことが大切だと島村さん。
よきリーダーとは「子どもに向き合い、気持ちに寄り添いながらも、必要な制限を設け、子どもに道しるべを示す人」を表し、その存在は子どもの心の安定をもたらしてくれると説明します。
親として子どもの自立を支えながらも自由と表裏一体である責任についても教え、子どもとのトラブルが起きたときも話し合いを通して答えを見つけていける姿を目指しましょう。
子どもへの要求を考え直してみる
さらに、島村さんは「子どもは年齢によって、できることも、期待していいことも異なります」と述べたうえで「成長段階に合わない要求はしないことが重要です」と語ります。子どもの発達段階に考慮しながら要求をすることが求められます。
また「○○をしなさい!」といった注意を子どもにしたことはありませんか? その一言が親の都合によるものではなく子どもにとって必要な言葉であるかも言う前に考えてみてくだい。
子育ての長期的なゴールをもつ

子どもに対して将来なってほしい人間像を考えたとき「普段の自分の接し方がこの子育ての長期的なゴールの妨げになっていないかを一度考えてみる必要があります」と島村さんはいいます。
例えば、困難にも負けない人になってほしいと願うものの心配のあまり過保護になってしまうなど、子育てにおいてときには自分の意に反した教育をしてしまうことがあるでしょう。
自分の子育てにおける行動を適宜振り返ることで、その行動が子育ての長期的なゴールにふさわしいかどうかを考えることが大切です。
いかがでしたか? 子育てへの考え方に新たな視点をくれるようなメソッドでしたね。ぜひ参考にしてみてください。
【引用元】
※モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳 〜 12歳 の子ども対象(島村華子)/ディスカヴァー・トゥエンティワン
【参考・画像】
※Lopolo/fizkes/VGstockstudio/Tiko Aramyan/shutterstock