ついつい飲み過ぎてない?医師が教える「飲酒」による免疫への影響

外出自粛やリモートワークにより飲み会の機会が減り、家でお酒を楽しむようになった方も多いのではないでしょうか? 家飲みは、時間を気にせずに飲める一方で飲む量を把握できず、つい飲みすぎてしまうというリスクもありますよね。

今回は、産業医・精神科医の井上智介さんに飲酒によるカラダへの影響と、免疫との関係性ついて話を伺いました。

飲酒は健康にどのような影響を及ぼすの?

画像:Fast&Slow/PIXTA(ピクスタ)

——多量に飲酒する人のカラダにはどのような影響が出るのでしょうか?

アルコールを大量に飲むと、アルコールを分解する肝臓の負担が大きくなり肝細胞が壊れてしまい、肝機能の低下を引き起こすでしょう。

アルコールは主に肝臓で有害なアセトアルデヒドに分解され、その後に無害な酢酸に分解され炭酸ガスや水になり、カラダの外へ排出されるといわれています。 ただ、このアルデヒドが遺伝子を傷つける可能性があり、ガンのリスクも高まるという報告もあります(※1)。

飲酒時の食事にも注意が必要です。塩分の多いもの、カロリーの高いものを一緒にとると、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病も引き起こす原因になると一般的にいわれています。ビタミンやミネラルが豊富な食材を意識し、食べ過ぎないようにしましょう。

——「酒は百薬の長」という言葉もありますが、飲酒のメリットはあるのでしょうか?

全くアルコールを飲まないよりも、適量のアルコールを摂取するほうが死亡率を低下させるという研究結果(※2)もあります。

厚生労働省の『e-ヘルスネット』では、虚血性疾患や2型糖尿病に関して、「非飲酒者に比べて少量飲酒者のリスクがむしろ低く、さらに飲酒量が増えれば今度はリスクが非飲酒者のそれより高くなる」(※3)と説明されています。

飲酒のしすぎと免疫力低下の関係性は?

画像:rainmaker/PIXTA(ピクスタ)

——多量の飲酒は免疫力の低下にも繋がるのでしょうか?

肝臓は、一般的に病原体や有害物質などの外からの異物を処理をするといわれています。しかし、アルコールを飲みすぎるとこれらの機能が低下してしまう可能性があるので、注意が必要でしょう。

——うまくお酒と付き合っていくために、気を付けておくべきポイントを教えてください。

どうしても飲みすぎてしまう人は、無理して休肝日を作るというより、まずは二日酔いしない程度の量を意識することをおすすめします。

【関連記事】禁酒したらメリットしかなかった!? 元・酒好き30代会社員の体験記

 

以上、飲酒によるカラダへの影響と免疫との関係性ついて井上さんに伺いました。適量を意識して、お酒の時間を楽しみましょうね。

※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

<プロフィール>
井上智介
島根大学医学部を卒業後に、産業医・精神科医・健診医の3つの役割で大阪で活動中。さらに、ブログ『たたかう産業医』やSNSでも積極的に、分かりやすい医学の内容を発信し続けている。また、『ストレス社会で「考えなくていいこと」リスト(KADOKAWA)』をはじめとした3冊の書籍もある。

【SNS】Twitter:@tatakau_sangyoi

画像:井上智介

【画像・参考】
※freeangle・Fast&Slow・rainmaker/PIXTA(ピクスタ)
※1 Nina Roswall, et al., “Alcohol as a Risk Factor for Cancer: Existing Evidence in a Global Perspective.” Journal of Preventive Medicine & Public Health, Vol.48(1), 1-9, 2015
※2 Holman CD, English DR, Milne E et al.Meta-analysis of alcohol and all-cause mortality: a validation of NHMRC recommendations.MJA 164: 141-145, 1996.
※3 樋口 進. 飲酒とJカーブ  – e-ヘルスネット(厚生労働省)最終閲覧年2021

【おすすめ記事】
【PR】週7時間の運動は欠かさない!50代「トライアスロンコーチ」が、健康のために続けていることとは?
【食事術】40代・50代こそ“腸内ケア”すべき!? 夫婦で取り入れたい「善玉菌を増やす習慣」
【健康法】「ぎっくり腰がきっかけで…」栄養専門医が実践する“健康法”とは
【免疫】新しい環境で体調崩してない?副交感神経を優位にする「3つのポイント」とは
【サプリ】「自分に合ったサプリって…?」フォロワー10万人超の薬剤師が教える、サプリの注意点
【メンタル】「何をやってもうまくいかない…」現役心理士が教える、“鬱”から身を守る方法