“禁酒”の効果で脳が回復!? 睡眠やメンタルへのメリットを医師が解説

お酒が好きで、仕事終わりや風呂上がりに飲むのが1日の楽しみという人もいると思います。

しかし、お酒を嗜む一方で、カラダに対する影響を心配するようになってきた方も少なくないでしょう。これを機に、日々のカラダのコンディションや、将来的な健康を考えてお酒から遠ざかってみるのもいいかもしれません。

そこで今回は、禁酒がもたらす脳への影響や、メリット、禁酒の方法について、医師たちが徹底解説します!

<目次>
禁酒によるメリットを医師が解説!禁酒の方法も紹介

禁酒のメリットとは?

(1)脳へのメリット
(2)睡眠へのメリット
(3)メンタルへのメリット

焦る必要ナシ?禁酒を達成する3つの方法

(1)休肝日を設定する
(2)お酒との接触機会を減らす
(3)ノンアルコールビールも飲まない

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禁酒のメリットとは?

画像:Syda Productions/Shutterstock

大好きなお酒をやめるからには、カラダへのメリットを実感したいというのが本音でしょう。では、禁酒によって心身や生活習慣にどのようなメリットがあるのでしょうか。

(1)脳へのメリット

精神科医の井上智介先生によれば、「最近では、アルコールの飲み過ぎでなくとも、脳内の海馬が萎縮するという研究結果(※1)も出ています」とのこと。加えて、「流暢に話すための言語能力の低下と関連しているとも報告されています(※1)」と説明されています。

さらに、「アルコールは脳内のドーパミン濃度を増やすといわれています。これは快感をもたらすとされる物質にあたるのですが、耐性ができてしまうと、これまでと同じ飲酒量では以前と同様の気持ちよさを得ることができなくなってしまいます」と、飲酒に伴うリスクについても解説。

一方で、「厚生労働省の『e-ヘルスネット』では“飲酒による脳萎縮は断酒することによって改善することも知られています”(※2)と説明があります」と井上先生。

「禁酒することで、脳萎縮からの回復が期待されるので、その経過によって、失っていた脳機能を取り戻す可能性も考えられます」と、禁酒によるメリットについて述べています。

(2)睡眠へのメリット

飲酒と睡眠の関係について、井上先生いわく「一般的に飲酒すると、睡眠中に喉の筋肉が落ち込んでしまって気道が狭くなりがち。睡眠中に低酸素状態が続いてしまうと、睡眠が浅くなり日中眠気に襲われることも」とのこと。

また、「飲酒によってレム睡眠という浅い睡眠の時間が増えてしまうといわれていて、睡眠の途中で目が覚めてしまうこともあります(※3)」とお話ししてくださいました。

しかし、「禁酒すればそれらを回避できます」とのことで、「日中の眠気も感じにくくなり、仕事などに集中力しやすくなるでしょう」とメリットについて触れられています。

加えて、「レム睡眠とノンレム睡眠が規則正しく交互に繰り返されやすくなり、質のいい睡眠がとれるようになるでしょう」と説明され、禁酒後の睡眠の変化についてお話しいただきました。

(3)メンタルへのメリット

井上先生は、飲酒がメンタルに与える影響についても解説されています。

「飲酒はドーパミンという快楽物質が脳内に放出され、快感や喜びに結びつきます。しかし、その報酬をさらに求める回路が脳内にできあがり、次第に喜びを感じる中枢神経の機能が低下することもあるといわれています」と、飲酒がもたらす体内メカニズムの作用について説明されています。

一方で、「断酒をすることによって些細なことに対する嬉しい、楽しい、おいしいなどのポジティブな感情の気づきを期待できるでしょう」と見解を述べられました。

焦る必要ナシ?禁酒を目指す3つの方法

画像:Monkey Business Images/Shutterstock

禁酒といっても、実際に続けるのはなかなか難しいものではないでしょうか? 今回は、それぞれのレベルに合わせて取り入れやすいような禁酒の方法について、医師のアドバイスをご紹介します。

(1)休肝日を設定する

昨日までお酒を楽しんでいた人が、今日から一切飲まないようにするというのは、なかなかハードでしょう。総合診療医の石井道人先生は「いきなりお酒を我慢するのは難しいことが多いので、少しずつ量を少なくする方法がおすすめです」と提案されています。

精神科医の益田裕介先生も「週に1~2日くらいの休肝日を設定するだけでもいいでしょう」と語るように、まずは無理のない範囲で飲まない日を作ってみるのがいいかもしれませんね。

(2)お酒との接触機会を減らす

益田先生は「お酒との接触機会を減らすのがおすすめです」ともお話されています。「例えば、お酒が出てくるテレビやYouTube番組は観ないようにするのがいいでしょう。観ると飲みたい欲求が出やすく、その場ではなくとも時間をおいて飲みたくなってしまう可能性があります」と具体策について紹介いただきました。

禁酒を決意したものの、お酒を見ると飲みたくなってしまうという人はぜひ試してみてください。

(3)ノンアルコールビールも飲まない

お酒は飲まない代わりに、ノンアルコールビールで楽しんでいる人もいるのではないでしょうか。しかし、「個人的にはノンアルコールビールを飲むのはおすすめしません」と益田先生。

「ノンアルコールビールを飲むと、ビールを飲んだときの報酬系に作用する可能性があると考えます。禁酒をしたいなら、その報酬系を忘れさせる必要があるでしょうから、まずはお酒から距離をおくことから始めましょう」とお話しいただきました。

本格的に禁酒をしたいのなら、ノンアルコールビールも飲まないようにするのも1つの手ではないでしょうか。

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いかがでしたか? 禁酒すべきか迷っている方は、今回の内容を参考にしてみてください。

※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。
※こちらの記事は2021年3月20日に公開した記事を再編集したものです

<プロフィール>
井上智介
島根大学医学部を卒業後に、産業医・精神科医・健診医の3つの役割を担い大阪で活動中。さらに、ブログ『たたかう産業医』やSNSでも積極的に、分かりやすい医学の内容を発信し続けている。また、『ストレス社会で「考えなくていいこと」リスト(KADOKAWA)』をはじめとした3冊の書籍もある。

【SNS】Twitter:@tatakau_sangyoi
画像:井上智介

石井道人
2007年北里大学医学部卒業後、東京都立多摩総合医療センターにて研修後、ERに専従。北海道喜茂別町で僻地・家庭医療に従事したのちに、現在は横浜市青葉区の『ファミリークリニックあざみ野』の院長を務めている。

益田裕介
早稲田メンタルクリニック・院長。防衛医大卒業後、防衛医大病院や埼玉県立精神神経医療センターなどを経て開業。精神保健指定医、精神科専門医・指導医として“対話”を重視した治療を追求し、YouTubeチャンネル『精神科医がこころの病気を解説するCh』でもメンタルの不安に寄り添った情報を発信している。
Twitter:@wasedamental
YouTube:『精神科医がこころの病気を解説するCh

【画像・参考】
※1 BMJ (Clinical research ed.). 2017 Jun 06;357;j2353. doi: 10.1136/bmj.j2353.
※2 松下 幸生. アルコールと認知症 – e-ヘルスネット(厚生労働省)最終閲覧年2021
※3 内村直尚. アルコール依存症に関連する睡眠障害
※sidelniikov・Syda Productions・Monkey Business Images/PIXTA(ピクスタ)

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