“6時間睡眠”は間違い…!? 免疫へのデメリットを医師が解説「コロナのリスクが…」

疲れて仕事から帰ってきたものの、テレビやスマートフォンを見ていて寝る時間が遅くなり、結局6時間も眠れなかったという経験をしている人も多いのではないでしょうか? 日本人は、世界の中でも睡眠時間が少ない傾向にあると言われています。

そこで今回は、日本睡眠学会専門医の中村真樹先生に睡眠時間が6時間未満のデメリットと、免疫力への影響を解説して頂きます。

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6時間未満の睡眠による免疫へのデメリット

画像:sirtravelalot/Shutterstock
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──睡眠時間が6時間未満になる、免疫へのデメリットを教えてください。

6時間未満の睡眠の免疫への影響は、さまざまな研究で明らかにされています。

たとえば、インフルエンザワクチン接種後の抗体産生量を比較した研究で、睡眠時間4時間の人たちは8時間睡眠の人たちに比べて抗体量が半分以下になるという研究結果(※1)が出ています。

さらに、風邪をこじらせて肺炎になるリスクが5時間未満の睡眠だと8時間睡眠に比べて1.4倍という研究結果(※2)も発表されています。

最近では、睡眠不足が新型コロナウイルス感染症の重症化・死亡率増加につながっているという報告(※3)もあるので注意が必要でしょう。

他には、人為的にライノウイルス(風邪の原因になるウイルスの一種)を感染させたとき、平均睡眠時間7時間にくらべ、5時間未満睡眠者では発症リスクが4.5倍、5~6時間睡眠者では発症リスクが4.2倍という報告(※4)もあります。

睡眠習慣について

画像:Quality Stock Arts/Shutterstock
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──1.5時間刻みごとに、睡眠時間を決めた方がいいと聞いたことがあるのですが、それは本当でしょうか?

間違いです。睡眠周期がちょうど90分(1.5時間)だからその倍数で起きると目覚めやすくなるという通説がありますが、ヒトは機械ではないのできっちり90分周期で眠りの深さが変わるわけではありません。

寝不足や疲労・病気で体力が落ちているときは、最初の睡眠周期が120分くらいまで延長することもあり、また、一晩でも毎回90分サイクルにはなっておらず、日中の疲労度などの影響で、おおよそ90~120分で変動すると言われています。

寝起きを良くしたいのなら、7時間前後の睡眠で毎日規則正しく生活していると、いつもと同じ時間に覚醒しやすくなると言われています。

厚生労働省の『健康づくりのための睡眠指針 2014』でも、「個人差はあるものの、必要な睡眠時間は6時間以上8時間未満のあたりにあると考えるのが妥当でしょう」(※5)と説明されています。

──患者さんでも6時間程度睡眠をとっていても、睡眠負債が溜まっているという方も多いのでしょうか?

たいてい6時間未満の睡眠時間の方は、日中の眠気や起床困難を訴えています。

平日・休日ともの6時間未満の睡眠で過ごし、たまに休日に長く寝ても眠気が改善しないと訴えますが、“睡眠負債”が蓄積しすぎているため、たまに週末の1~2日長く寝た程度では回復しないというだけです。

──どうしても睡眠時間が7時間とれない場合、対処法としてはどのようなことがありますか?

日中、特に午後昼過ぎの眠気を軽減させたいのならば、昼食後、午後の仕事や授業が始まる前に10分程度でもいいので座った状態で仮眠をとるといいでしょう。

平日の寝不足の影響を解消するために、休日は夜ふかしせず、“社会的時差ぼけ(Social Jet Lag)”を起こさない程度に、起床時刻を平日より2時間程度遅らせて睡眠時間を長めにとることをおすすめします。

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いかがでしたか? 中村先生のアドバイスをもとに、睡眠習慣を見直してみるといいかもしれないですね。

※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

<プロフィール>
中村真樹
青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長。日本睡眠学会専門医。東北大学医学部卒、東北大学大学院修了(医学博士)、東北大学病院精神科で助教、外来医長を務める。2008年、睡眠総合ケアクリニック代々木に入職。2012年から同病院の院長を務める。2017年6月青山・表参道睡眠ストレスクリニックを開院し、院長に就任。
青山・表参道 睡眠ストレスクリニック

【画像・参考】
※1 Effect of sleep deprivation on response to immunization – PubMed
※2 A prospective study of sleep duration and pneumonia risk in women – PubMed 
※3 Poor sleep behavior burden and risk of COVID-19 mortality and hospitalization – PubMed 
※4 Behaviorally Assessed Sleep and Susceptibility to the Common Cold – PubMed 
※5 健康づくりのための睡眠指針2014(平成26年3月)
※wavebreakmedia・sirtravelalot・Prostock-studio・Quality Stock Arts/Shutterstock

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