“6時間未満の睡眠”は危険…!? 医師が教える“睡眠負債”の対処法「休日は…」

日々の忙しさで睡眠を疎かにしている方も多いのではないでしょうか。睡眠不足が続くと“睡眠負債”が溜まりカラダへ悪影響を及ぼす恐れも……。

そこで今回は、日本睡眠学会専門医の中村真樹先生に、睡眠負債のチェック方法や解消法について話を伺いました。

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睡眠負債によって起こる病気のリスクとは?

画像:Oakland Images/Shutterstock

——睡眠負債が溜まってしまうと、免疫力やカラダにどのような影響がありますか?

睡眠負債が溜まると免疫力の低下に影響する可能性があります。ある研究では、風邪を引いて肺炎になるリスクが、睡眠時間が5時間未満の人は8時間の人と比べ1.4倍になることが報告(※1)されています。

また最近では、睡眠不足が新型コロナウイルス感染症の重症化・死亡率増加につながっているという報告(※2)もあります。

病気のリスクについては、6時間未満の睡眠を続けることで、糖尿病は約1.5〜2倍、脳卒中は約2.1倍、心筋梗塞は約1.3〜2倍、乳ガンは1.6倍(※3)、胃がんや膵がんは約2倍に上がると報告(※4)されています。

睡眠負債かどうかをチェックする方法は?

——睡眠負債を知らせるカラダのサインがあれば教えてください。

休日、夜ふかしせずに就寝し、目覚ましをかけずに寝たときに、2度寝を含めて平日より2時間以上寝てしまう場合は、睡眠負債が溜まっていると考えられます。

また、平日の平均睡眠時間が6時間未満で、日中に強い眠気や寝落ち、理由もなくイライラする、意欲低下、ケアレスミスが目立つようになった、仕事や勉強に集中できないなどのサインがあれば要注意です。

——睡眠負債が溜まっていると思ったら、対処法はどんなものがありますか?

私が日頃おすすめしている方法をご説明します。睡眠負債は“負債”という言葉の通り、“眠りの借金”のようなもの。これ以上“眠りの借金”を溜めないように、まずは、平日は夜にまとめて7時間前後の睡眠を取れるよう就寝時間を早めましょう。

そして今まで溜め込んだ“眠りの借金”の返済のために、休日は夜ふかしせず、平日より2〜3時間長めに眠り、蓄積した睡眠負債の影響を解消していきます。

なお、どのくらい“眠りの借金”=“負債”と考えると、どのくらい溜めたかによって、完全に回復するまで時間を要する場合もあるでしょう。

アプリや睡眠日誌を使って、寝た時間・起きた時間を記録し、規則正しく十分な睡眠時間がとれているか確認するのもよいですね。

快適な睡眠へ導くためのアドバイス

画像: Seasontime/Shutterstock

——夏場は寝苦しくて寝不足の人も多いと思うのですが、どのようなことに気をつければいいでしょうか?

快適な就寝環境が熟睡を促します。夏の蒸し暑さによる寝苦しさに対しては、エアコンを26〜28℃とやや高めの温度設定にして、弱風で直接体に当たらないように風向を調整しましょう。

エアコンがオフになって2時間程度で室温が外気温と同じくらいに戻ってしまうので、一晩中つけっぱなしにするか、あるいは予定起床時刻の2時間前にタイマーで切れるようにしておくと良いですね。

——睡眠時間を削ってしまう多忙な人へ睡眠のアドバイスはありますか?

睡眠時間を削ることで自覚的な眠気に変化がなくても注意力・集中力が落ち、ケアレスミスが増えることが報告(※5)されています。

忙しいからと睡眠時間を削って仕事をしても、寝不足で注意力・パフォーマンスが落ち、仕事で大きなミスをしてしまったら本末転倒です。

最高のパフォーマンスで仕事をするためにも「寝るのも仕事」と考えることも大切でしょう。

【関連記事】「睡眠って“記憶の整理”に役立つの…!?」眠りがカラダに役立つ仕組みを解説!

 

いかがでしたか? 睡眠負債によるカラダへの影響がわかりました。心当たりのある方、寝つきが悪いと感じている方は、この記事を参考にして健康への第一歩を踏み出してみましょう。


※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

<プロフィール>
中村真樹
青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長。日本睡眠学会専門医。東北大学医学部卒、東北大学大学院修了(医学博士)、東北大学病院精神科で助教、外来医長を務める。2008年、睡眠総合ケアクリニック代々木に入職。2012年から同病院の院長を務める。2017年6月青山・表参道睡眠ストレスクリニックを開院し、院長に就任。
青山・表参道 睡眠ストレスクリニック

【画像・参考】
※1 A prospective study of sleep duration and pneumonia risk in women:Sleep. ;35(1):97-101. 2012 
※2 Poor sleep behavior burden and risk of COVID-19 mortality and hospitalization:Sleep 2021, Jun 18;zsab138
※3 Sleep duration and the risk of breast cancer: the Ohsaki Cohort Study, British Journal of Cancer. 2008; 99(9): 1502–1505.
※4 Sleep duration and risk of overall and 22 site-specific cancers: A Mendelian randomization study, Int. J. Cancer. 2021;148:914–920. 
※5 Van Dongen HP et al. SLEEP 26:117-126,2003
※picopoyo/PIXTA(ピクスタ)、Oakland Images・Seasontime/Shutterstock

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